« サンダー杉山でなかっただけまし? | トップページ | イロイロ大変ですが »

2004.11.09

Jack Higgins「Day of Reckoning」

 読了しました、ヒギンズ「審判の日」。
 ああなるほど、と思うと共にちょっとタイトル負けなような複雑気分。
 "Day of Reckoning"っていうのはいわゆる「最後の審判」(あるいは「年貢の収めどき」)のことなんですが、最後まで読むと、今回主役になっていいはずがどうもやられ役っぽくなってる登場人物の台詞がグッと来ます。
 ヒーローが大活躍して悪党をやっつけても、つまり最後に全ての罪が裁かれたとしてもどうしても清算できないものはあるんだ、という風情の言葉でいやがうえにも寂寥感をそそられます。

 外国文学、とくに暴力を扱う小説の分野では、この問題を主人公がどう考えるかが結構重要なテーマであって、ブライアン・キャリスンの「無頼船長トラップ」シリーズでも主人公トラップ船長が最後に自分を欺いた悪党を殺す理由として、彼のせいで命を落としたケチな船員の命を蘇らせるよう求める、という場面を思い出したですよ。

 本作の主人公ディロンの場合は、自分の命を余り省みない代わりに悪党の命も全然気にしないところがどうも味気ない(ソレが魅力と言えなくもないけれど)のですがどうも本作の場合は他のキャラクターまでもがそれに染まってきているようで、そこはかとなく違和感を感じるんですなあ。

 アメリカ人ブレイク・ジョンスンは正義の人と言うことになっているけれど、今回は復讐の張本人ということもあってどうも歯切れが悪く、それなのに銃傷で後半活躍が少なくなってしまっている、しかもその後を埋める人物が若いギャングのビリー・ソルター(過去作品に登場したハリー・ソルターの息子)とあってはディロン流に逆らえるわけもなく。ハンナ・バーンスタイン警視のもはやパターン化したような公明正大遵法路線が浮いて見えてしまうようではバランスの悪さは否めません。

 確かに本作も面白いし、常連キャラに新キャラも加えた精鋭メンバーが結集して大暴れという良くも悪くも「Aチーム」化した爽快さがあってヨシ!なのですが、もう少し内面を複雑に絡ませるような、いわば鬱屈したキャラクター描写があった方がヒギンズらしいと思うんですけれどねえ。
 なんだか上手く書けないけれど、このもどかしさ分かってくれ!という気分ですよ。
 訳者のせいとかは絶対言いたくないけんのーーー

 ワタクシみたいに「狐たちの夜」「反撃の海峡」や「双生の荒鷲」のような主人公のキャラ立ちとシチュエーションで攻める作品が好きな人間にとっては今回ちょっとあっさり終わりすぎたかも。

 次回作「 ホワイトハウス・コネクション」もすでに買ってあるので読むとしましょうか。

|

トラックバック

この記事のトラックバックURL:

この記事へのトラックバック一覧です: Jack Higgins「Day of Reckoning」:

» 「Blog Modelers(仮称)」活動企画第1段、決定! [Aviation Flashから]
ブログ・モデラーの皆さん。 ついに、「Blog Modelers(仮称)」の具体的な企画が動き出します! 実はこの1ヵ月 続きを読む

受信: Nov 11, 2004, 11:10:20 AM

コメント

コメントを書く