秋真っ盛り
時のたつのは早いもので、もう10月も末日。
仕事のほうも佳境でありまして、もうなんだかテンヤワンヤのゑびすでございます。
忙中関有りなどと申しますが、細切れな時間でも享受できるささやかな楽しみと言えば読書ぐらいでしょうか。(屋根裏での一服というのもありますが)
とりあえずここ二月ぐらいで読んだ本挙げてるとしましょう。
ロバート・ラドラム「メービウスの輪」(新潮文庫)
遺作らしいですね。こういう「ああっ、人格高潔完璧超人な主人公が巨大な悪の陰謀の罠にはまってたった一人(ではないんだが)で強大な敵に立ち向かわなくちゃいけなくなっちゃうなんてヒドイよ!10ページごとに主人公さんが大ピンチだ!うわーん、主人公さんが死んじゃう!」みたいな話は大好きです。
(「カメレオン」は主人公が低俗なタダのドチンピラだから嫌い)
下巻を早く見つけないと。ブックオフ以外の古本屋で。
R・F・トリヴァー、T・J・コンスタブル「不屈の鉄十字エース」(文庫版航空戦史シリーズ75)
BlogModellersの皆さんならご存じのエーリッヒ・ハルトマンの伝記。やっと見つけました。
もっとも、読みたかったのは戦時中の空戦機ではなくて、終戦時にソ連の捕虜となって以後、抑留時代の話。
上官だったヘルマン・グラーフ大佐(旧ハセガワ\250時代のFW190Aのデカールになってる人ですね)が一緒に捕虜になって、後に彼がソ連に協力云々…みたいな部分だけ断片的に覚えてて、どういう話だったかもう一回読んで確認したかった次第。
で、どうだったかって?ええ、オレもウルスラ(ウーシュ)さんのような良妻賢母を嫁にもらいたいものです(そういう話になるか)。
ロバート・ウェストール「猫の帰還」(講談社)
猫に限らず、小動物を愛玩する趣味の全くないワタクシですので、動物が主人公の物語の場合は相当入り込むのに努力が要るのですが、こういう猫ならイイですな。
動物に備わる不思議な通力によって、RAFのパイロットとして従軍中の主人の存在を感知しては英国中を放浪する(主人が基地を移動したり、機材補充でカナダに行ってしまったりすると見失うわけですな)黒猫の話なのですが、この猫のドライさと、登場する人々の奥深さが素晴らしいのです。
特に中盤で出てくる馬車屋のオリーとその相棒の二老人がよい。戦時中のイギリスを舞台にしている(この人の作品はほとんどそうなんじゃないのかね)わけですが、こういう筆致で戦時の人間を描けるというのは日本では故内田百鬼園先生ぐらいでは。
一応少年向け文学ということになってますが、今の日本の(大まで含めて)学生には厳しいんじゃないかしら。
以前書いた「パイド・パイパー」同様、いい大人に読んで欲しい本です。
ながいけん「神聖モテモテ王国①」(少年サンデーコミックス) 懐かしくて噴いた。
「フラレナオン祭り」とか「妖精世界一決定戦」とか「独立宣言とメロンもって最高裁に」とか「好きとか嫌いとか最初に言い出したのは誰じゃろうかのう、なあファー様」とか、自分が覚えていた強烈なエピソードがほとんど1巻にc集中しているのに気づいて、やっぱり週刊連載って大変だったんだなあと思ってみたり。
チェコ製のアルトサックス2万円で買った話とか一人で神奈川県の温泉行って変な店で蕎麦食った上に相模原市内で渋滞に苦しんだ話とかアイマス限定版予約できなかった話とかイロイロあるんだけど多分書くヒマはありません。ではまた11月末ぐらいに。
…っと思ったら、同じく長らく更新されてなかった某稲妻 號アニキの日記が更新されてたのでちょっと反応してみる。
ズダのピーキーな性能設定の不思議さと、それに対する変な扱いについては私も同感です。
たとえば世界初の実用ジェット戦闘機であるメッサーシュミットMe262のエンジンはデリケートな扱いが必要で、「ドイツ夜間防空戦」の著者であるヨーネン大尉の著書によると、うっかりスロットルを急激に高下するとそれだけでエンジンが爆発する、という触れ込みだったそうです。そのため、パイロットの訓練が重要だったとか。
一瞬の判断が命取りになる戦場で、機体の性能を極限まで引き出さなければならないパイロットがそんなことかまっていられるものでしょうか。当然急加速ぐらいやっちゃいますよね。
そんな危険なものですら正式採用されてるわけですよ。
コクピット内に推進剤が漏れただけでパイロットが文字通り溶けちゃうロケット戦闘機「秋水」とかはいわでもがな。
ズダの欠点が、単にエンジンをレッドゾーンまで吹かさなければいいというもののならば、リミッタをつければいいと言うのは当然だと思います。それを敢えて外し、ギリギリチューンした機体をパイロットの腕で引っ張るテストパイロット、あるいはコマンド・ノヴォトニーのような精鋭部隊、とかなら話としても面白いと思うんですけどねえ。
ガンダムという一連の作品群のおもしろさは、そういったエセリアリティを、もっともらしい雰囲気でくるんでドラマ性に昇華させたところにあると思うんですが、いかが。
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