2月なので
冬の夜。サックスの手入れをしたり、ラファールにクリアを吹いて乾かしたり、ミサイルを白く塗ったりミラージュの筋彫りをカリカリやって疲れたりしている合間にちょっと浮気心を。
さて、模型誌が、何らかの理由でデッサンはよいものの開発年度がちょっと古かったり設計自体が大ざっぱであったりして一筋縄ではいかないキットを紹介するときの常套句であるところの「基本的な工作技術のあるモデラーなら…」という上から目線な言辞がありますね。まあ当たり前っちゃ当たり前ですが。
そんなとき、どこをどう調整して組み上げたのかを書かずに「基本的な~」で済まされると情報メディアとしてどうよ?と思うこともあるわけです。そりゃあ技術があれば必要に応じてスクラッチでも何でもするわいな。
ホレなんですか、昔のゲーム雑誌のシューティングゲーム攻略記事にて何周目かの超弾幕ステージの項目にただ一言「ここまで来れたあなたなら大丈夫、気合いで抜けてください」的な。
まあ冷静に読んでいればおそらく、部品のあまりの合わなさ、モールドのショボさから来る難事業の予感と原稿〆切りにすっかり舞い上がって記録どころじゃない事が多いのでしょうねと推察するワタクシでゴザイマス。自分の業界で言うところの共感的理解というヤツであります。
そうやってうんうんと頷きつつ(この時点でゑびすさんの視線が下向きになっている事に注目←テストに出ます)も、「じゃあそもそも基本的な製作技術って何なのよ?」とふと思うことがありませんかね。
例えば、画像のような「戦車模型におけるバラバラなパーツによる車体の構築のような、いわゆる箱組み工作をカッチリとキメる」というのが、その基本工作の一つではないかと思います。
でもそれって案外大変だわ。上のモノも実はいま一つキマッてません。かなり苦しいです(笑)
この車体はフジミの1/76なんですが、オレの知ってる限りフジミさんはどのキットも車体部品の合わせ方がわかりにくいんですよね。
説明書がわかりづらいこともありますが部品のガイドモールドも曖昧で、ここは45°で合わせるのかどっちかがオーバーラップするのか単にバリが出て合わないのかとか、仮組中にあれこれ合わせて考えながら削っておりますととてもとても楽しいです(←楽しいのか)。
もっとも、色々削り合わせようとしてる間に気がついたら部品の上下が逆であったとか部品番号の勘違いとか根本的な所で間違えてたその時点で既にちゃんと組めなくなっていたことに気付いたりもするんですが。そんなときでも国産ミニAFVキットは基本的に安いのでそれほど凹むこともないですしね。
上の車体も、最終的にこうなるまでには2時間ぐらいでしょうか、パーツ変形も何のそのとばかりに裏といいフチといい随分削っております。ああ面白かった。こういう作業を通じてモデラーは成長するのかなあ。
今日の結論:やはり元JBモデルズ、今エアフィックスのヴィッカース豆タンク(2台目製作予定)は傑作キットである組み立てチョー楽だもの
(今回は、「湯けむり模型日記」復活をお祝いして、トリビュートトゥすず黄さん企画としてその文体をチョットだけリスペクトしつつお送りしました。んーやっぱかなわねえや。)
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コメント
ゑびすどんさんご無沙汰しております。
過分のお言葉をいただいて恐縮しつつ、ゲームっ子だった私としては”「ここまで来れたあなたなら大丈夫、気合いで抜けてください」”には膝を打ち過ぎて青タンができそうな勢いです。
ミニスケールは面白いアイテムがいっぱいあるのに、ピシャっとした出来のものにはなかなか出会いませんね。
その代わり、思いきりもよくバッタバッタと切り刻めるので、ほんとモデラーのチマチマ魂を充足するにはうってつけです。…と、艦船を作るようになって思うようになりました。
今後ともよろしくお願いします。
投稿者: すず黄 (Feb 3, 2009, 12:28:05 AM)
おかえりなさいましすず黄さん。
はてなとかmixiとかイケてるネットワーカーが駆使しているwebサーヴィスがようわからんのであの界隈には近寄っていなかったのですが、模型の方では鋭意活躍中と漏れ聞いておりましたので、ああなるほどリア充なんだなと蔭ながらお喜びしておりました。
「気合いで抜けてください」は確かグラディウスだったと思いますが当時の私は1周クリアがやっとでしたわい。
おっしゃるとおりいいミニスケもあるんですがどれがそうなのか分からないのが残念です。エアのヴィッカーズはマジお奨めですよ。
投稿者: ゑびすどん (Feb 3, 2009, 6:07:31 PM)